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デジタルノマドビザとは?対象者と今後の展望、おすすめの受け入れ先
デジタルノマドビザとは?対象者と今後の展望、おすすめの受け入れ先
はじめに
近年、テクノロジーの進化によりリモートワークが一般化し、場所を選ばない働き方が可能になってきました。そんな中で注目を集めているのが「デジタルノマドビザ」です。このビザは、リモートワーカーが外国に長期滞在しながら仕事を継続できる新しい滞在資格です。本記事では、日本国内のデジタルノマドビザの概要や対象者、将来の展望、そしておすすめの受け入れ先について解説します。

国内のデジタルノマドビザとは
デジタルノマドビザとは、インターネットを通じて仕事をするリモートワーカーや起業家が、自国以外の国に長期滞在することを可能にする特別なビザカテゴリーです。
日本では、2023年3月に国家戦略特区法の改正により「特定活動」の在留資格を利用したデジタルノマド受け入れ制度が福岡市で始まりました。その後、2024年には他の地域にも拡大され、外国人デジタルノマドの受け入れ体制が整備されつつあります。
法務省 - 「デジタル・ノマド」に関する新たな在留資格の創設
日本版デジタルノマドビザの主な特徴は以下の通りです:
通常の短期滞在(90日)を超える中長期滞在が可能(最長1年)
観光目的の滞在ではなく、リモートワークをしながらの滞在が認められる
日本企業への就労は認められない(海外企業や自営業としての仕事に限定)
一定の年収要件(約600万円以上)など、いくつかの条件がある
このビザにより、従来の「観光」「ビジネス」というカテゴリーでは対応できなかった、新しい働き方と滞在形態に対応する枠組みが提供されることになりました。

デジタルノマドビザの対象者
デジタルノマドビザは、主に以下のような方々を対象としています:
リモートワーカー
:海外の企業に雇用され、オンラインで業務を行う会社員
フリーランス
:特定の場所に縛られず、オンラインで仕事を受注する個人事業主
起業家・経営者
:オンラインビジネスを展開している経営者や創業者
デジタルクリエイター
:プログラマー、デザイナー、ライター、マーケターなど
日本のデジタルノマドビザを取得するには、以下の条件を満たす必要があります:
年間収入が1000万円以上(約40,000米ドル相当)
海外の企業との雇用契約がある、または安定した自営業収入がある
十分な海外旅行保険に加入している
申請時に日本国外に居住していること
滞在中に日本企業から収入を得る予定がないこと
在留資格「特定活動」(デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子)
これらの条件は、安定した経済基盤を持ち、日本の雇用市場や社会保障制度に負担をかけない外国人材を対象としている点が特徴です。

デジタルノマドビザを通した将来展望
デジタルノマドビザの導入は、日本の地方創生や産業構造の変化に大きな影響を与える可能性があります:
地方創生への貢献
外国人デジタルノマドの受け入れは、地方都市や過疎地域にとって新たな活性化の機会となります。彼らは地域に滞在することで消費活動を行い、さらに彼らの持つグローバルな視点やスキルが地域に新たな価値をもたらす可能性があります。
国際的なイノベーションの促進
多様なバックグラウンドを持つデジタルノマドが日本各地に滞在することで、地域の企業や住民との交流が生まれ、新たなビジネスチャンスやイノベーションが生まれる土壌が形成されます。
新たな働き方モデルの浸透
外国人デジタルノマドの存在は、日本人にとっても新しい働き方のロールモデルとなり、場所に縛られない働き方の普及に寄与する可能性があります。
観光産業の変革
従来の短期滞在型観光とは異なる、中長期滞在型の「生活者としての訪日外国人」という新たな市場が形成され、宿泊施設やサービス業の多様化が促進されます。
デジタルノマドワーカーにおすすめの取り組み
デジタルノマドとして日本に滞在を検討している方には、いきなり長期滞在するのではなく、段階的なアプローチをおすすめします:
ワーケーションからのスタート
まずは1週間~1ヶ月程度の「ワーケーション」として日本の各地を訪れ、仕事環境や生活環境を体験してみることをおすすめします。短期滞在であれば観光ビザで可能な場合が多く、デジタルノマドビザを取得する前の「お試し期間」として最適です。
お試し移住プログラムの活用
多くの自治体では、移住を検討している人向けに「お試し移住」プログラムを提供しています。これらのプログラムでは、格安で住居を提供したり、地域の人々との交流機会を設けたりするなど、実際の生活を体験できる機会が用意されています。
コワーキングスペースの活用
日本各地には、デジタルノマドに適したコワーキングスペースが増えています。Wi-Fi環境や会議スペースなどの仕事環境だけでなく、同じようなライフスタイルを持つ人々との交流の場としても活用できます。
おすすめの受け入れ先
日本国内でデジタルノマドに適した環境を整備している主な地域をご紹介します:
福岡市
日本で最初にデジタルノマドビザの受け入れを開始した福岡市は、都市機能と自然の両方を楽しめる環境があります。「Fukuoka Growth Next」をはじめとするスタートアップ支援施設やコワーキングスペースが充実しており、国際的なイベントも数多く開催されています。
Fukuoka Growth Next - スタートアップカフェ
沖縄県
年間を通して温暖な気候と美しい海が魅力の沖縄県は、「島ぐらし」というスローライフと最先端のリモートワーク環境を両立できる地域として注目されています。那覇市や恩納村などにコワーキングスペースが増えており、国際的なデジタルノマドコミュニティも形成されつつあります。
北海道ニセコエリア
冬のスキーリゾートとして国際的に有名なニセコエリアは、オフシーズンにはトレッキングや農業体験など多彩なアクティビティが楽しめます。外国人居住者も多く、英語での生活のしやすさも魅力です。
長野県白馬村
スキーリゾートとして知られる白馬村も、国際的なデジタルノマドの受け入れに積極的な地域の一つです。「Hakuba Mountain Harbor」などのコワーキングスペースがあり、自然の中での健康的な生活と仕事を両立できる環境が整っています。
三重県熊野市
自然豊かな環境と世界遺産「熊野古道」が魅力の熊野市では、古民家を改装したコワーキングスペースやゲストハウスが増えています。精神的な充実を求めるデジタルノマドに適した静かな環境が特徴です。
まとめ
デジタルノマドビザは、リモートワークという新しい働き方と国際的な人材移動の新たな形を実現するための重要な制度です。日本国内においても、このビザを活用した地域活性化の取り組みが始まっており、今後さらなる広がりが期待されています。
デジタルノマドとして日本での生活を検討している方は、まずはワーケーションやお試し移住から始め、実際の生活環境を体験してみることをおすすめします。そして、自分のライフスタイルや仕事スタイルに合った地域を見つけ、デジタルノマドビザを活用した中長期滞在へとステップアップしていくことで、充実した日本生活を実現することができるでしょう。
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